山下政治の発明

INVENTION

「こんな物があったらいいな」を形にする男・山下政治の発明品の数々を紹介します。

飛散防止男子小便器

特許庁意匠登録第1566404号/特許庁実用新案登録第3212194号

2019.12.10

考案の名称:取付用飛散防止男子小便器
商品名:募集中
概要:小便器周壁や床面の尿の飛散を確実に防止する取付け用飛散防止男子小便器

考案の背景

男子の立ち小便時、洋式トイレでは尿の飛散が問題視されている。衛生的な日本人においては尿の飛散が特に問題視されるようになって来た。これにより男子も座って小便をするように強要される今日この頃である。しかしここで問題なのは幼少のころから男の子が座って小便をする習慣をつけてしまったら男子特有の立小便ができなくなるのではないかと推測した。ところが!調べたところすでに以下のような報告があった!

  • 真剣に、立っておしっこができません。 学校や施設(デパートなど)で小便器でおしっこをしようとすると1分以上経ってもでません。なのでいつも大便器のほうで座っておしっこだけします。(高校3年生)
  • 自宅で座っておしっこをすることに慣れ、会社でも座ってすることに慣れ日常から立っておしっこをする習慣が無く「立ち小便ができません。」(20代会社員)

本当にこんなことになっていいんだろうか?と疑問を抱いたのである。

ボクの思考では基本的に男子は常に戦い人なのである。「いざ鎌倉!」とあいなった時「拙者ちょっと用足しに」と言ってケツを捲って用足ししている場合ではないのだ!これから先戦争などの時代はないかも知れない。男子も座り小便の時代なのかも知れない。だけどそれでは男子たる者の価値がない、とボクは考える。

考案の技術的背景

ブリガムヤングの小便小僧

  • ブリガムヤング大学研究員のTruscott氏とHurd氏は、自分たちをwizz kids(小便小僧)と呼んでいます。彼らの”Splash Lab”では、おしっこが便器に当たるときの現象を、ハイスピードカメラを使って流体物理学の観点から研究しています。
  • Hurd氏らの関心は「跳ね返り」にあります。研究室では男性の排尿をシミュレーションして、小便をもれなく便器の中に収めるにはどうすればいいかを探っています。

尿道15cmの安全水域

  • Hurd氏によると、男性によるトイレの汚れの大半は「プラトー・レイリー不安定性」に起因し、これは落下する液体の流れを「しずく」に分解する作用のことです。
  • 男性が用をたすとき、おしっこの流れはしずくに分裂し、尿道口から約15センチの範囲で飛び散ります。「便器に当たる前に、すでにしずくになっている」とHurd氏はBBCに語っています。「このしずくが、飛散の犯人なのです」

考案の構造

小便器2

開口部がスリットのためスリットの中で排尿する。このため尿道口から対面する壁までの距離を一定に保つことができる。従ってプラトー・レイリー不安定性による液体が雫になる距離15cm以内に排尿をコントロールし飛散しない。

さらに便器はほとんどカバーされた状態のため仮に飛散が起こっても便器の外へ尿が飛散することは少ない。

小便器レイアウト1

超スリムな形状のため設置面積が非常に小さい。現状設計されているトイレの面積内にも十分設置可能なスタイルである。

ただし、不特定多数の使用する公衆トイレには不向きであり、本提案は家庭用のみである。

しかし問題は家庭内でのトイレ事情のため本提案は有意義であると考える。

小便器レイアウト2

考案の詳細な説明

 本考案は、小便器周壁や床面及び放尿者の被服や手への尿の飛散を防止する取付け用飛散防止男子小便器に関するものである。

従来、一般的な男子小便器は全面が大きく開放された箱型が多く、内側背面部はやや円形を帯びた形で、下部に尿受け部を備えている。このような男子小便器で放尿すると尿の一部が内側背面部に当たって跳ね返り、小便器周壁や床面及び放尿者の被服や手に付着し、衛生上問題となっている。
  この飛散防止目的として、様々の考案が開示されているが、いずれも従来の男子用小便器に跳ね返り防止器具を新たに付加したり、放尿者を便器に近づけさせるための足場の工夫等が多くみられる。しかし、これらの考案は器具の取付け、取外し及び保守が煩雑で根本的な解決策に至っていない。

男子小便の際の尿飛散は、時間が経つと悪臭を放ち、その清掃には多くの手間が費やされている。また、放尿者の被服や手に付着すると衛生面での問題もある。本考案者は、男子小便器の尿飛散の原因について調査研究した結果、放出された尿が、ある一定距離内で小便器内側背面部に当たると跳ね返りが無いことを突きとめた。そこで、本考案は、放尿する者の身体を小便器に近づかせ、そして放出した尿を一定の距離内で小便器内部背面に当てることが出来る取付け用飛散防止男子小便器により課題を解決するものである。

前記の課題を解決するために、本考案は、大人から子供まで、又身長の違いがあっても放尿者の尿放出位置を小便器に極限近づかせるため、小便器が縦長のスリム形状で、特に子供の立ち位置の邪魔にならないようタレ受け部下側が奥側に斜め形状となっている。また、小便器の前面を放尿者の尿の放出高低位置を考慮した縦長のスリット状受け口とし、その中で放尿しないと目的を達せない構造となっている。更に、スリット内部で放出された尿が、放出角度が不特定でも15cm以内で便器内側背面に当たるよう、受け口内部が縦長スリットの上下範囲内において、便器左右側面の前方先端間の中間を中心点として、便器内側背面まで15cm以内の距離を半径とする円形壁形状となっている。放尿者が万が一、便器全面のスリット状受け口から離れて放尿し、便器内側背面に当たる距離が15cmを超えても受け口がスリット状となっているため、便器外への尿の飛散を最小限に抑えられる。

本考案の取付け用飛散防止男子小便器は、科学的理論に基づいた構造となっているため、尿の飛散が大幅に防止でき、小便器周壁や床面及び放尿者の被服や手への飛散が無くなり、清掃の省略、悪臭の発生や病原菌の伝染といった衛生面の改善に効果が期待できる。

 

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